准看護師とは?仕事内容、看護師との違い、給料、なり方まで徹底解説!

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最終更新日:2025/07/24

准看護師とは?仕事内容、看護師との違い、給料、なり方まで徹底解説!

「誰かの役に立つ仕事がしたい」「医療の現場で働いてみたい」 看護の仕事に、そんな憧れや興味をお持ちではありませんか?一方で、「看護師になるには、大学や専門学校に何年も通わないといけないし、学費も高そう…」と、一歩を踏み出すのをためらっている方もいらっしゃるかもしれません。 もし、あなたがより早く、そして着実に看護のキャリアをスタートさせたいと考えているなら、「准看護師」という選択肢がその夢を叶える鍵になるかもしれません。 准看護師は、正看護師とは異なる特徴を持つ、都道府県知事認定の看護資格です。この記事では、「准看護師って、正看護師と何が違うの?」「具体的な仕事内容は?」「お給料はどれくらい?」「どうすればなれるの?」「将来性はあるの?」といった、あなたが抱えるであろうあらゆる疑問に、一つひとつ丁寧にお答えしていきます。 この記事を最後まで読めば、准看護師という働き方の全体像がはっきりと見え、あなたにとって最適なキャリアパスなのかどうかを判断できるようになるはずです。さあ、一緒に准看護師の世界を深く探っていきましょう。

目次

  • 准看護師とは?基本的な役割と社会的な位置づけ

  • 准看護師と正看護師の「5つの違い」

  • 准看護師の具体的な仕事内容

  • 准看護師になるには?資格取得までの4ステップ

  • 准看護師として働くメリット・デメリット

  • 准看護師の給料・年収の実態

  • 准看護師の将来性とキャリアアップの方法

  • 准看護師に向いている人の特徴5選

  • まとめ

准看護師とは?基本的な役割と社会的な位置づけ

まずはじめに、「准看護師」とはどのような資格で、医療現場でどのような役割を担っているのか、その基本的な定義と立ち位置から理解していきましょう。

准看護師の定義

准看護師は、法律(保健師助産師看護師法 第六条)において「都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定められています。

ここで最も重要なポイントは、免許の発行元です。

正看護師が「厚生労働大臣」から免許を与えられる国家資格であるのに対し、准看護師は「都道府県知事」が発行する免許であるという点です。

これにより、資格としての区分が明確に異なっています。

最大の特徴:医師や看護師の「指示」を受けて業務を行う

准看護師の業務における最大の特徴は、自らの判断で看護業務を行うのではなく、必ず医師や正看護師からの「指示」に基づいて業務を遂行するという点にあります。

正看護師は、患者さんの状態を自らアセスメント(評価・分析)し、看護計画を立案して、主体的に看護を実践することが認められています。

一方、准看護師はそうした自己判断による看護計画の立案などは行えず、医師や正看護師の具体的な指示のもとで、療養上の世話や診療の補助を行います。

これは、戦後の看護師不足を解消するために、より短期間で養成できる看護職として准看護師制度が設けられたという歴史的背景が関係しています。

決して能力が劣るという意味ではなく、制度上の役割分担が明確に定められているのです。

准看護師が活躍する現場

准看護師は、日本の医療・介護現場を支える不可欠な存在です。

病院の病棟や外来、地域のクリニック(診療所)、介護老人保健施設や特別養護老人ホームといった介護施設、訪問看護ステーション、さらには美容クリニックや企業の健康管理室など、非常に幅広いフィールドでその専門性を発揮しています。

特に、地域に密着した医療や介護の現場では、准看護師のきめ細やかなケアが高く評価されています。

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准看護師と正看護師の「5つの違い」

准看護師を理解する上で、最も多くの方が疑問に思うのが「正看護師との違い」です。

ここでは、両者の違いを5つの明確なポイントに分けて、詳しく比較・解説していきます。

違い①:免許の種類と根拠法

前述の通り、最も根本的な違いは免許の種類にあります。

  • 准看護師:都道府県知事免許

  • 正看護師:厚生労働大臣免許(国家資格)

この免許の違いは、業務の根拠となる法律の条文にも表れています。

正看護師は「傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」と定義されており、「指示」という文言が含まれていません。

この点が、業務範囲の自律性に直結しています。

違い②:業務範囲と責任の重さ

免許の違いは、日々の業務内容とそれに伴う責任の範囲に直接影響します。

正看護師は、患者さんの状態を観察・分析し、個別の看護計画を立案・実施・評価するという一連の「看護過程」を、自らの専門的判断に基づいて行うことができます。

後輩看護師や准看護師への指示も、正看護師の重要な業務の一つです。

一方、准看護師は、医師や正看護師が立てた治療方針や看護計画に基づき、その指示を受けて具体的なケアや処置を実施します。

例えば、患者さんのバイタルサイン(体温・血圧など)を測定し、異常があればすぐに医師や正看護師に報告する、といった役割です。

点滴や注射といった医療行為も、必ず医師や正看護師の具体的な指示がなければ行うことはできません。責任の所在が、指示を出した医師や正看護師にあるという点が大きな違いです.

違い③:なるまでの道のり(学歴・養成期間)

資格取得に至るまでのルートも大きく異なります。

准看護師になるためには、中学校を卒業後、都道府県知事が指定する「准看護師養成所」で2年間の教育課程を修了し、資格試験に合格する必要があります。

最短であれば、10代のうちから医療現場で働くことも可能です。

対して、正看護師になるためには、高校を卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する大学(4年制)、短期大学(3年制)、または専門学校(3年制)で専門教育を受け、国家試験に合格しなければなりません。

看護職に就くまでの期間が、准看護師よりも長くなります。

違い④:給料・年収

一般的に、業務範囲の広さや責任の重さ、学歴の違いから、給料や年収は正看護師の方が高い傾向にあります。

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、平均年収は以下のようになっています。(※あくまで平均値です)

  • 正看護師:約508万円

  • 准看護師:約418万円

月収にすると5〜7万円程度、年収では約90万円の差が見られます。

基本給の設定だけでなく、資格手当や昇給の幅、ボーナス(賞与)の算定基準においても差が設けられていることが多く、これが生涯年収に影響してきます。

違い⑤:キャリアパスの可能性

将来的なキャリアの展望にも違いがあります。

正看護師は、経験を積むことで、看護師長や看護部長といった管理職への道が開かれています。

さらに、特定の分野で高度な知識と技術を証明する「専門看護師」や「認定看護師」といったスペシャリストを目指したり、大学院に進学して研究者や教育者の道に進んだりすることも可能です。

一方、准看護師が看護部門の管理職に就くことは、制度上、原則として認められていません。

キャリアアップを目指す場合、後述するように「正看護師の資格を取得する」ことが最も一般的なルートとなります。

准看護師の具体的な仕事内容

准看護師の仕事は、法律で定められた「療養上の世話」と「診療の補助」という二つの大きな柱で構成されています。

ここでは、それぞれの具体的な内容と、働く場所による仕事の違いについて見ていきましょう。

業務の二本柱:「療養上の世話」と「診療の補助」

療養上の世話とは?

療養上の世話は、患者さんが病気や怪我を抱えながらも、その人らしく安楽に過ごせるように生活を支援するケアです。

患者さんの最も身近な存在として、日々の生活に深く関わっていきます。

  • 清潔ケア:入浴介助、清拭(体を拭くこと)、洗髪、口腔ケアなど

  • 食事のケア:食事の配膳や介助、栄養摂取の確認

  • 排泄のケア:トイレへの誘導、おむつ交換、ポータブルトイレの介助など

  • 環境整備:ベッド周りの整理整頓、シーツ交換

  • 安楽のケア:体位交換、寝衣の交換、移乗・移送の介助など

これらのケアを通じて患者さんとコミュニケーションをとり、精神的な支えとなることも、非常に重要な役割です。

診療の補助とは?

診療の補助は、医師や正看護師の指示に基づき、患者さんの治療がスムーズかつ安全に進むようにサポートする業務です。

  • バイタルサイン測定:体温、脈拍、呼吸、血圧などの測定と記録

  • 検査・処置の補助:医師の診察介助、検査出しや検体の管理

  • 与薬:指示された薬剤の準備と投与(内服薬、外用薬、注射、点滴など)

  • 医療処置:創部の消毒、ガーゼ交換、吸引、導尿など

  • 記録:実施したケアや患者さんの状態変化をカルテに記録

これらの業務は、患者さんの生命に直結するものが多く、高い正確性と集中力が求められます。

働く場所別の仕事内容の違い

同じ准看護師でも、働く場所によって求められる役割や業務の重点は異なります。

病院(病棟)

入院患者さんを24時間体制でケアするため、療養上の世話と診療の補助の両方を幅広く行います。

急な状態変化への対応や、夜勤業務があるのが特徴です。多くの知識と技術が求められる、やりがいのある職場です。

クリニック(診療所)

外来患者さんの対応が中心です。医師の診察がスムーズに進むよう、問診、バイタルサイン測定、採血、注射、処置の介助など、診療の補助業務の割合が高くなります。

基本的に日勤のみで、地域住民の「かかりつけ」として頼りにされる存在です。

介護施設

医療機関ではないため、治療よりも利用者の日々の健康管理と生活支援がメインとなります。

バイタルサイン測定、配薬管理、皮膚トラブルの処置、急変時の対応などが主な業務です。

医療行為は比較的少ないですが、利用者の生活に長期的に寄り添うケアが求められます。

訪問看護ステーション

医師の指示書に基づき、在宅で療養する方の自宅を訪問してケアを行います。

単独で訪問することが多いため、状況判断能力やコミュニケーション能力が重要になりますが、業務自体は必ずステーションの管理者(正看護師)や医師の指示のもとで行われます。

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准看護師になるには?資格取得までの4ステップ

「准看護師になりたい」と決意した方のために、資格を取得するまでの具体的な道のりを4つのステップに分けて解説します。

ステップ①:受験資格を確認する

准看護師養成所の入学試験を受けるためには、まず受験資格を満たしている必要があります。

その条件は「中学校を卒業していること」です。

高校を卒業している必要はないため、中学卒業後すぐに目指すこともできますし、一度社会人になった方や主婦(主夫)の方が、キャリアチェンジとして目指すケースも非常に多く見られます。

年齢や経歴に関わらず、門戸が広く開かれているのが特徴です。

ステップ②:准看護師養成所(学校)に入学する

受験資格を満たしていれば、次は准看護師養成所に入学します。

養成所には、ライフスタイルに合わせて選べるよう、いくつかの種類があります。

  • 全日制:平日の昼間に授業が行われる、最も一般的な課程です。2年間、学業に集中できます。

  • 半日制(午前・午後):平日の午前または午後のみ授業が行われる課程です。空いた時間で仕事をしたり、家庭と両立したりしやすいのがメリットです。

  • 定時制(夜間):平日の夕方から夜にかけて授業が行われます。昼間に働きながら通学する社会人学生が多く在籍しています。

学費は学校によって異なりますが、一般的に2年間で150万円~250万円程度が目安となり、3年制以上の正看護師学校に比べて経済的な負担を抑えられる傾向にあります。

ステップ③:2年間のカリキュラムを修了する

養成所では、2年間かけて准看護師に必要な知識と技術を学びます。

カリキュラムは、大きく「座学(講義)」と「臨地実習」に分かれています。

  • 座学:人体の構造と機能、疾病の成り立ち、薬理学、基礎看護学、成人看護、老年看護、母子看護、精神看護など、幅広い専門知識を学びます。

  • 臨地実習:実際に病院や介護施設などの現場に出て、指導者のもとで患者さんや利用者さんを受け持ち、実践的なケアを学びます。知識を技術として統合する重要な機会であり、大変な面もありますが、看護のやりがいを肌で感じられる貴重な経験となります。

ステップ④:准看護師資格試験に合格する

2年間のカリキュラムを全て修了(または修了見込み)すると、いよいよ准看護師資格試験の受験資格が得られます。

試験は各都道府県で、年に1回、例年2月中旬頃に実施されます。

試験科目は、養成所で学んだほぼ全ての科目から出題されます。

しかし、合格率は毎年全国平均で96%~98%前後と非常に高く、養成所のカリキュラムを真面目にこなし、試験対策をしっかり行えば、合格は決して難しいものではありません。

学校側の手厚いサポートもありますので、安心して臨むことができます。この試験に合格して初めて、都道府県知事に免許を申請し、准看護師として働くことが可能になります。

准看護師として働くメリット・デメリット

どんな仕事にも良い面と大変な面があります。

ここでは、准看護師という働き方を選ぶことのメリットとデメリットを客観的に見ていきましょう。

准看護師のメリット

最短2年で看護職に就ける

最大のメリットは、そのスピード感です。

正看護師よりも短い期間で資格を取得できるため、「一日でも早く医療現場で働きたい」「早く経済的に自立したい」と考える方にとっては非常に魅力的な選択肢です。

学費を抑えられる

養成期間が短い分、正看護師の養成課程(大学や3年制専門学校)に比べて、トータルでかかる学費を大幅に抑えることができます。

経済的な負担が少ないため、進学を諦めていた方でも挑戦しやすいと言えます。

入学のハードルが比較的低い

受験資格が「中学卒業以上」であるため、学歴や年齢、これまでの経歴を問わず、多様なバックグラウンドを持つ人々がチャレンジできます。

学び直しを考える社会人や、子育てが一段落した主婦(主夫)の方にも門戸は広く開かれています。

求人が豊富で就職しやすい

特にクリニックや介護施設など、地域医療を支える現場からの需要は根強く、常に多くの求人が存在します。

ライフスタイルに合わせて日勤のみの職場を選んだり、自宅の近くで就職先を見つけたりしやすいのも大きな強みです。

准看護師のデメリット

正看護師より給料が低い

先述の通り、業務範囲や責任の違いから、給与水準は正看護師よりも低く設定されているのが実情です。

長く働き続けることを考えると、生涯年収で大きな差が生まれる可能性があります。

キャリアアップに制限がある

看護師長などの管理職を目指すことや、専門看護師・認定看護師といった専門分野を極めるキャリアパスは、准看護師の資格だけでは開かれていません。

キャリアの幅を広げるためには、正看護師へのステップアップが必要不可欠となります。

常に「指示待ち」の立場

業務は常に医師や正看護師の指示のもとで行われます。

そのため、自分で考えて主体的に行動したいというタイプの方にとっては、時に窮屈さやもどかしさを感じることがあるかもしれません。

「准看護師制度廃止」の議論

長年にわたり、看護職の一元化(准看護師制度を廃止し、正看護師に統一する)という議論が存在します。

これが、将来性に対する漠然とした不安につながることがあります。

ただし、これについては次の章で詳しく解説します。

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准看護師の給料・年収の実態

仕事を選ぶ上で、収入は非常に重要な要素です。

ここでは、准看護師の給料・年収について、もう少し詳しく掘り下げて見ていきましょう。

最新データで見る平均給料・年収

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」を参考にすると、准看護師の平均年収は約418万円、月収に換算すると約29.6万円(賞与含まず)となっています。

これはあくまで全国・全年齢の平均値であり、実際には勤務する地域や施設の種類、経験年数、夜勤の回数などによって大きく変動します。

比較として、正看護師の平均年収は約508万円、月収は約35.2万円です。

この差は、主に基本給の違い、そして資格手当の有無や金額の差によって生じます。

給料を上げるための具体的な方法

准看護師として働きながら収入を増やすためには、いくつかの方法が考えられます。

一つ目は、各種手当を有効に活用することです。

特に夜勤手当は収入に大きく影響します。病院の病棟など、夜勤がある職場を選ぶことで、手当の分だけ月収をアップさせることができます。

その他、残業手当や役職手当(リーダー手当など)、危険手当などが支給される職場もあります。

二つ目は、給与水準の高い職場へ転職することです。

一般的に、病院はクリニックや介護施設よりも給与水準が高い傾向にあります。

また、自由診療が中心の美容クリニックなどは、インセンティブ制度を導入している場合もあり、高収入が期待できる職場の一つです。

そして最も確実な方法は、経験を積んで昇給を目指すことです。

勤続年数やスキルに応じて着実に給与が上がっていく職場を選ぶことが、長期的な安定につながります。

職場別の給料の違い

  • 病院:夜勤があるため、クリニックや介護施設に比べて給与は高くなる傾向があります。規模の大きい病院ほど、福利厚生が充実している場合が多いです。

  • クリニック:夜勤がないため総支給額は病院より低めになることが多いですが、日勤のみで安定して働きたい方には人気です。

  • 介護施設:病院とクリニックの中間程度の給与水準であることが多いですが、施設の種類や運営母体によって差があります。

  • 美容クリニック:基本給が高めに設定されていたり、業績に応じたインセンティブがついたりするため、他の職場より高収入を得られる可能性があります。

准看護師の将来性とキャリアアップの方法

「准看護師制度がなくなるかもしれない」という話を聞いて、将来に不安を感じている方もいるかもしれません。

ここでは、その真相と、准看護師の確かな将来性、そしてさらなるキャリアアップの方法について解説します。

「准看護師制度はなくなる?」その真相と現状

確かに、日本看護協会などを中心に、看護職の質の向上を目指して准看護師制度を正看護師制度へ一本化しようという動きは長年存在します。

しかし、これは「今持っている准看護師の資格が、ある日突然無効になる」という話では全くありません。

議論のポイントは、これからの新規養成を停止するかどうかという点です。

仮に新規養成が停止されたとしても、既に資格を持っている准看護師が働けなくなることはありません。

そして何より、高齢化が進み、医療・介護のニーズが増大し続ける現代の日本において、看護人材は慢性的に不足しています。

地域医療や介護の現場を支える准看護師は、今もなお社会に必要不可欠な存在であり、その需要がすぐになくなることは考えにくいのが現状です。

むしろ、多様な働き方ができる准看護師の存在価値は、今後も高いままであると予測されます。

王道のキャリアアップ:正看護師を目指す道

准看護師として経験を積んだ後、さらなる専門性やキャリアの幅、収入アップを求める方の多くが、正看護師へのステップアップを目指します。

准看護師から正看護師になるためには、看護師養成所で改めて学ぶ必要がありますが、そのためのルートがいくつか用意されています。

  • 全日制の養成所:2年間通学します。

  • 定時制の養成所:働きながら通えるよう、3年間(夜間など)で学びます。

  • 通信制の養成所准看護師として7年以上の実務経験があれば、通信制の養成所で2年間学ぶことで、正看護師国家試験の受験資格が得られます。働きながら自分のペースで学べるため、非常に人気の高いルートです。

多くの病院では、准看護師が正看護師を目指す際に、奨学金制度や勤務シフトの調整といった支援制度を設けています。

働きながら給与を得て、さらにキャリアアップのための学費支援まで受けられるケースも少なくありません。

これは、准看護師として働き始める大きなメリットの一つと言えるでしょう。

その他のキャリアパス

正看護師を目指す以外にも、キャリアを広げる道はあります。

例えば、准看護師としての実務経験は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験資格を得るための実務経験として認められます。

介護分野の知識を深め、ケアプランを作成する専門職として活躍する道も選択肢の一つです。

また、特定のクリニック(例えば皮膚科や眼科、不妊治療など)で長く働き、その分野のエキスパートとして頼られる存在になることも、素晴らしいキャリアプランです。

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准看護師に向いている人の特徴5選

最後に、どのような人が准看護師に向いているのか、その特徴を5つご紹介します。

自分自身の性格や価値観と照らし合わせてみてください。

人と接するのが好きで、誰かの役に立ちたいという気持ちが強い人

看護の基本は、人への深い関心と貢献意欲です。

患者さんの痛みや不安に寄り添い、支えになることに喜びを感じられる人は、日々の業務に大きなやりがいを見出すことができるでしょう。

責任感を持ち、真面目にコツコツと仕事に取り組める人

人の命を預かる仕事であるため、強い責任感が不可欠です。

また、日々の業務は地道なケアや作業の繰り返しも多いため、一つひとつの仕事に真摯に向き合い、丁寧にやり遂げる実直さが求められます。

体力に自信があり、フットワークが軽い人

看護の仕事は、立ち仕事や患者さんの移乗介助など、体力を要する場面が少なくありません。

特に病棟勤務では、広いフロアを歩き回り、緊急時には迅速に動く必要もあります。

心身ともにタフであることが望ましいです。

指示を正確に理解し、忠実に実行できる素直さがある人

准看護師の業務は、医師や正看護師の指示に基づいて行われます。

指示の意図を正しく汲み取り、それを正確に実行する能力は、医療安全を守る上で極めて重要です。

チームの一員として、協調性を持って動ける素直さが求められます。

いち早く医療現場で働き始めたいと考えている人

「とにかく早く現場に出て、看護の仕事を始めたい」という強い思いがある人にとって、最短2年で資格が取れる准看護師は最適な道です。

現場で働きながら経験を積み、その後のキャリアを考えていくというプランにぴったりの資格です。

まとめ

今回は、「准看護師」という仕事について、その定義から仕事内容、正看護師との違い、なり方、そして将来性まで、多角的に解説してきました。

准看護師は、都道府県知事の免許のもと、医師や正看護師の指示を受けて「療養上の世話」と「診療の補助」を行う、医療・介護現場に欠かせない専門職です。

最短2年で資格を取得でき、多様な現場で活躍できること、そして経験を積んだ後には、働きながら正看護師への道を目指すことも可能な、非常に魅力と可能性に満ちた資格です。

何よりも、病気や怪我で苦しむ人々の最も身近な存在として、その生活と心を支えることができる、誇りとやりがいにあふれた仕事です。

この記事を読んで、准看護師という働き方に少しでも心が動いたなら、それはあなたの新しいキャリアの始まりかもしれません。

まずは、あなたの周りにどのような職場があるのか、どんな准看護師の求人があるのかを、気軽に覗いてみませんか?

想像もしなかった素敵な職場との出会いが、あなたを待っているかもしれません。

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